休む力
飲食店における「休む力」とは、「店舗のパフォーマンスと利益を最大化するために、店長やスタッフが戦略的に休息をとり、心身のコンディションを管理する能力」のことです。
飲食店では「休まない美学」や「人手不足だから休めない」という根性論が蔓延しがちですが、現代のマネジメントにおいて、休むことは「サボり」ではなく「次の営業の質を上げるための業務」と定義されます。
店舗運営をするうえで一番大切なのはあなた自身です。
あなた自身の心と身体を守る力を身に付けていきましょう!
店長や経営者に求められる「休む力」の具体策を解説します!
「休む力」がもたらす好循環
店長がしっかり休み、心身ともに充実していると、店舗には以下のポジティブな連鎖が生まれます。
【店長が休む】
⬇ 心に余裕ができる
【スタッフを褒め、話を聴くリーダーシップが発揮できる】
⬇ 職場の雰囲気が良くなる
【アルバイトの離職率が下がり、定着する】
⬇ 人手に余裕ができるため
【さらに計画的な休み(有給消化など)が取れるようになる】
「休む力」は、これまでお伝えしてきた「離職率の低下」や「適切なリーダーシップの発揮」を支える一番の土台となります。
休めない要因を1つずつ潰していきましょう!
何故休めないのか?
・人手不足で、自分がシフトに入らないと店が回らない
・自分が休んでいる間のトラブルや売上が気になって休めない
・人手不足で、自分がシフトに入らないと店が回らない
人手不足を理由に「休めない」状態を脱出するには、「今いるメンバーの戦力化」と「店長業務の切り出し」を同時並行で行い、店長が現場(シフト)に拘束される時間を減らすしかありません。
求人を出す前に、まずは「店長が現場にいなくても回る仕組み」を作るための3つのステップを実践します。
1. 人手不足から抜け出す3つのステップ
ステップ1:店長業務の「解剖」と「権限移譲」
店長しかやっていない業務をリストアップし、アルバイトのリーダーや主婦スタッフに少しづつ任せていきます。
〈例〉
発注業務:
過去のデータから「自動発注」のルールを決め、スタッフにボタンを押すだけにさせる。
レジ締め・現金管理:
手順を動画や写真付きマニュアルにし、信頼できるベテランスタッフに任せる。
シフト作成:
各自の希望をシートに転記する作業までは、スタッフにやってもらう。
ステップ2:複数ポジションができる「多能工化」
「レジしかできない」「キッチンしかできない」という状態を無くします。
「あと1つ」の習得:
ホールのスタッフに「ドリンク作り」だけ教えるなど、ハードルの低い業務から教えていきます。
スキルマップの掲示:
誰が何をできるかを一覧表にし、ゲーム感覚で次のポジションに挑戦させます。
ステップ3:メニューと動線の「引き算」
人手が足りないなら、業務量そのものを減らして効率的なオペレーションの構築をしていきます。
無駄になっている作業はないか?
飲食店で多いのが、廃棄量。
廃棄=無駄な作業という認識を持つことが出来れば、仕込み量を調整できます。
仕込む量が減れば、作業量も一緒に減っていきます。
オペレーションの簡素化:
工程が多すぎるメニューの廃止、またはトッピングの簡略化など。
2. 人手不足の悪循環を断ち切るロードマップ
「忙しいから仕組みを作る時間がない」と言っていると、さらにスタッフが辞めて店長が倒れます。
まずは小さな時間を作ることから始めましょう。
【今すぐ】仕込みの一部を既製品に変えて、1日30分の時間を浮かす
⬇
【今週中】浮いた30分で、発注やレジ締めの「手順書(写真付き)」を1枚作る
⬇
【来週中】スタッフにその手順書を渡し、実際にやってもらう
⬇
【再来週】店長が「現場に立たない日(または数時間)」をテストで作ってみる
自分が休んでいる間のトラブルや売上が気になって休めない
1. 「トラブルへの恐怖」をなくす仕組み
店長が休めないのは、「何か起きたら自分の責任になる」と思うからです。
現場に「判断の基準」を渡しておけば、店長が呼び出されることはなくなります。
クレーム対応の「1次対応権限」を渡す
例えば「異物混入や料理の不備は、その場で謝罪し、新しい作り直し or 返金してOK」とルール化します。
店長への連絡は「現場で解決しなかった場合のみ」に限定します。
「連絡の基準(緊急度メーター)」を作る
何でもかんでも店長に連絡するのを防ぐため、連絡基準を明確にします。
緊急(すぐ電話):怪我人、食中毒の疑い、警察・消防沙汰。
非緊急(翌出勤日でOK):機器の軽微な不具合、シフトの変更相談、通常のクレーム。
「トラブル即答シート」の設置
「冷蔵庫が冷えない ➡ コンセントを確認 ➡ ダメなら業者(電話番号:○○)へ」といった、よくあるトラブルの対処法を1枚の紙にまとめてラミネートし、店舗に貼っておきます。
2. 「売上への不安」をなくす仕組み
自分がいないと売上が下がる気がするのは、現場の「目」が足りないからです。
数値と行動を可視化します。
「営業振り返りシート」
休日の営業終了後、リーダーに以下の3点を報告してもらいます。
本日の売上・客数(目標に対してどうだったか)
良かった点・売れた理由(例:○○さんがおすすめを頑張り客単価UP)
課題・次回への引き継ぎ(例:提供遅れが1回あった)
これを見るだけで、店長は店にいなくても「何が起きたか」を100%把握できます。
3. 「休むこと自体が店舗の利益になる」と脳を書き換える
店長が常に店にいると、スタッフは「店長が何とかしてくれる」と依存し、成長が止まります。
あえて店長が「いない日」を作ることは、スタッフの責任感を育て、店舗の自立性を高めるための「人材育成プログラム」です。
まずは、以下のような「小さなステップ」から試してみても良いかもしれません。
ステップ1:
最初は「丸1日」休むのではなく、「平日の15時〜18時は絶対に店に行かない・連絡も見ない」という3時間のプチ休業から試す。
ステップ2:
休日にトラブルが起きなかったら、出勤日に「留守を守ってくれてありがとう、頼りになるよ」とスタッフを大げさに褒める(これでスタッフの自信が育ちます)。

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